今までいろんな仕事をしてきたけれど、今回が一番緊張したかもしれない。
ただ、データに基づいてお話をし、必要事項を記入するだけなのだが、この顧客ファイルがその後の仕事に大きく影響するのだという。
まずは、勤務先や収入、転勤の有無や家族構成、持っている資格や趣味から身長（体重は希望により空欄）など、相手方が必要とする情報をお聞きし、書き込んでいく。
これは実際の情報なので、そのままお聞きすれば良いので簡単と言えば簡単だった。
それから、お相手の好みや結婚の希望・条件などを細かく聞いていく。
これが難しかった。
ある程度細かく聞いておかなければ、実際にお話をすすめて会う段階になって、キャンセルということもあるらしいのだ。
結婚するお相手の年齢の許容範囲や、離婚暦の有無にこだわるのか？
それに結婚暦のある方が多いことから、引き取った子どもの年齢の許容範囲と性別へのこだわりはあるのか。
ただ、求める希望が大きすぎたり、無理な条件をお聞きしてしまうと、それに当てはまるお相手をご紹介できないことにもなり兼ねない。
また、今後どんな方からご紹介いただくかわからないので、ファイルに記入して、他の方が見ても嫌悪感を抱かない程度にしておかなければならないのだから、こちらの話しのすすめ方でもずいぶん影響がでてくるのだという。
わたしの初めての面談相手なのだから、この方の縁談を何とかすすめていきたいと思った。
ところがこのお客様は、「自分のような人と結婚してくださるなら、無理な条件はいえません。」
まだお若いのに（この相談所では）、なんと謙虚な・・・
何が何でも、ご結婚を成立させてあげたいと、強く願ってしまいました。
せめてもの希望はないか、お仕事のことや趣味のお話を聞きながら、ゆっくり聞き出して、なんとかファイルの空欄を埋めたわたしだった。